3月 03

きっと、星のせいじゃない。

「きっと、星のせいじゃない。」を観ました。

評価:★★

全米でベストセラー小説1位を獲得したジョン・グリーン作「さよならを待つふたりのために」を、「(500)日のサマー」などのスタッフが脚色した作品。雰囲気がイギリス映画っぽい作品で、僕もずっとイギリスが舞台だと思っていましたが、製作も舞台もアメリカという作品。イギリスっぽさを感じたのは「(500)日のサマー」の影響からか、全体的にライトな仕上がりになっているからでしょう。難病ものというと、全体的に重たく、暗い感じのイメージになってしまうのですが、予告編にも感じられるようなラブロメとして軽妙に仕上がっていて、観ていて、とっても爽やかさを感じる作品に仕上がっていると思います。

末期がんに侵され、余命少ないといわれながら、新しい治験薬の効果もあり、がんが大きくならずに平常状態を保っている主人公ヘイゼル。とはいいつつも、普通の子のように学校に行ったりする生活は送れず、家族の保護の下、自宅で何気ないつまらない毎日を送っていた。そんな中、母親の勧めもあり、若くしてがんを患った若者たちが集うグループセラピーに出席する。そこで出会ったガスは骨肉種であったが、足を切断することで、がんを克服した経歴を持っていた。病気で奥手になっていたヘイゼルに、猛烈アピールするガス。いつしか2人は互いに惹かれあうようになっていく。

前半は軽妙な語り口なうえに、主人公の二人がとても爽やかに演技をしていることもあり楽しく見ることができます。この辺りはヘイゼル役のシャイリーン・ウッドリー、ガス役のアンセル・エルゴートの若々しさの中でも、知性がある演技によるところも大きいでしょう。しかし、後半は一転し、普通に難病モノ映画の路線をたどることになります。病気になってしまうと、身の回りの単純なことができなくなる苦しみは、自分自身も経験があるからよく分かるにしろ、物語としては序盤のよかった空気感が徐々に沈んだものになってくるのが、作品としてはイマイチなような気がします(まぁ、難病モノなので仕方ないといえば、それまでなのですが、、)。病気になっても常に前向きに生きていくとか、物語として何かしらサプライズをもう一エッセンス加えてほしかったように思います。それがウィレム・デフォー演じる小説家の役回りなのかもしれないですが、それも効果的に決まっていなかったです。

次回レビュー予定は、「おみおくりの作法」です。

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