9月 24

靴職人と魔法のミシン

「靴職人と魔法のミシン」を観ました。

評価:★★

アダム・サンドラー主演のハートフル・コメディ。ニューヨーク、マンハッタンのローワー・イーストサイド地区で靴職人として修理店を営むマックス。年老いた母親との気ままな二人暮らしだが、何不自由ない単調な毎日を送っていた。そんなある日、仕事用の電動ミシンが故障し、地下で長年眠っていた古い足こぎミシンを使うことになる。ところが、その足こぎミシンで修理した靴を履くと、靴の持ち主に変身できるという魔法のミシンだったのだ。

サンドラー自身はコメディ俳優ではありますが、過去の出演作を見ても、「ウェディングシンガー」、「50回目のファースト・キス」、「もしも昨日が選べたら」と、しっかりとしたラブドラマやヒューマンドラマの上に、コメディの要素を乗せるのが上手く、ニコニコと笑えながらも、最後はキュンと切ない想いをさせてくれる素敵な作品が多いのが特徴。ですが、その土台となるべきドラマがしっかりしていないと、コメディアンといっても、ジム・キャリーのような強烈な個性を発揮しないサンドラーの演技は、どこか間延びしたノッペリとした印象になるのも事実。サンドラー作品でいい作品を当てるのは意外に難しいのです(笑)。

この作品、ポイントになるのは靴を履いただけで、その人に変身できるということ。途中に亡くなっている人の靴を履くシーンもあるのですが、あの変わり方からいうと、その人の履いているときの状況に変身できるということみたいです(笑)。今の状況だと、父親になり替わるシーンの辻褄が合わないしなーと思いながら観ていると、アレ、作品を楽しめていないなーという自分に気づくのです。この変身するという設定は面白いのは面白いのですが、子どもっぽく散々楽しんでいる割には、年老いた母親のために父親になるくらいにしか、物語としては貢献していないように思うのです。最後のドタドタ泥棒劇と、最終的なオチもどうも決まっていない。せっかく面白そうになる設定を十二分に活かしきれないまま、物語としても、なんだか腑に落ちないオカシナ設定に持っていたように思います(ネタバレなので、書けないですが。笑)。

次回レビュー予定は、「ぼくらの家路」です。

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