11月 22

バレエボーイズ

「バレエボーイズ」を観ました。

評価:★★★

ノルウェーのバレエ教室に通いながら、一流のバレエダンサーを目指す3人の少年ルーカス、シーヴェルト、トルゲールに密着した4年間を描くドキュメンタリー。バレエというと、僕らが小さい頃のイメージは女の子がするものという認識しかなかったけど、日本でも熊川哲也氏の活躍や、映画でも「リトル・ダンサー」などの作品がヒットしたこともあり、昨今では男の子がダンサーをバレエ界のトップを目指すというのも、そんな珍しい物語ではなくなってきました。本作も、そんなバレエ界のトップを目指す3人の少年の等身大に迫るドキュメンタリーとなっています。

バレエに限らず、野球やサッカーなどのスポーツ、数学や科学などのアカデミア、果てまた将棋やマジックなどのエンタテイメントまで、一流の何かを目指すというのは天性のものだけではなく、それ以上の努力というものが必要になってくる。それぞれの分野で努力を続ける人々が美しく見えるのは、大多数の人間が天性というものに恵まれず、かといって何かを目指すところもなく、惰性的に生きている(と書くと、非難轟々のようにも思えますが、、笑)と心のどこかに感じているからからもしれません。でも、そんな人でも大丈夫。努力に努力を続ける彼ら3人の姿を見ていると、見終えた後に何かを自分も頑張らなければという義務感に襲われる。未来をまっすぐに見据える目を持っている少年たちの姿に心動かない人はいないのではないかと思えてきます。

僕は野球が好きですが、高校野球はあまり見ることがありません。でも、ちょうどこの感想文を書いているような時期に行われているドラフト会議や、ドラフトにかかる、特に高校生たちのドキュメンタリーなどを見ていると、例え、高校は違うチームであっても、甲子園なり、日本代表なりで、野球という一つのスポーツに秀でた面々が繋がっていると感じるのは、何ていうか、その分野ならではの不思議な世界だなと思います。本作でも、出身も違えば、バレエをやりだした背景も違うのに、バレエが好きということで友情を育む(主人公3人の少年以外でも)というのが、1つのつながりの世界として描かれています。何かに本当に打ち込んでいくというのは、そうした世界に憧れ、入れるように自分を律していくこと(すべては自分の努力に帰結するのかもしれないですが)なのかなと、ふと感じる作品でした。

次回レビュー予定は、「ミケランジェロ・プロジェクト」です。

preload preload preload