11月 24

ボーイ・ソプラノ

「ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声」を観ました。

評価:★★★

ウィーン少年合唱団に代表されるように、少年期にソプラノという高い音領域で美声をもって歌える少年たちがいる。本作は、不遇な家庭環境にありながら、そうした美しい声を発することができる少年が自らの才能を持って人生を切り開いていく様を描く映画となっています。監督は「レッド・バイオリン」(名作!!)で音楽を巡る時代を超えた旅を描いたフランソワ・ジワール。少年を導く音楽教師を、名優のダスティン・ホフマンが演じています。

本作を見始めると最初に戸惑うのは、題名からいって本格的な学園ドラマなのかと思いきや、舞台は不遇な家庭環境及び教育環境で育っている少年ステットを描くことから始まっていきます。こういう出だしだと、例えば、ハーレムの学校で音楽を育んでいく「ミュージック・オブ・ハート」的な展開と思いきや、話はダスティン・ホフマン演じる音楽教師が引き連れる、名門音楽学校への話へと遷移し、複雑な家庭事情で、その名門学校に入学し、その中で隠された才能を開花させていくという、「ハリー・ポッター」的なお話へと変わっていくのです。話の中身の展開も、まさにハリーが魔法学校でいろんな生徒に揉まれた状況(友だち、いじめ等々も含め)に似てきます。これはまさに音楽版「ハリー・ポッター」的な作品になんだと思います。

主人公の少年ステットの成長劇はそのまま観ていて楽しいですし、音楽映画ならではの盛り上がるコンサートシーンは、映画館で見ると迫力は倍増。十分に楽しい作品なのですが、やはり話の中身はどう見ても「ハリー・ポッター」。。ただ唯一違うのは、魔法使いになるのではなく、少年期という美声を持った時期だけにしか、このマジックが続かないということ。やがて訪れる声変わりとともに、それぞれの少年たちは音楽なのか、また違う道なのかを選択していくことが必要になってくる。短いマジックが切れるラストと、そこからの旅立ちを描くところは何とも味わい深い。序盤の入学も含めて、ところどころにあるこうした大人な描写は嫌いじゃありません。

次回レビュー予定は、「エベレスト3D」です。

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