12月 21

サカサマのパテマ

「サカサマのパテマ」を観ました。

評価:★★

今年は”上下分かれモノ”がなぜか多い。別にこういう分野があるわけではないですが、「アップサイドダウン 重力の恋人」はダイレクトにそうだし、「エリジウム」も隠喩を挟みながら上下に分かれた世界を描いていた。上下関係という言葉があるように、上流階級と下流階級という構造はきっと人間が社会を作りだしてから変わらないし、そこでの対立だったり、階級を越えた愛というのは(「レ・ミゼラブル」や「ロミオとジュリエット」に代表されるように)殿時代でも常に描かれる普遍的な物語だと思います。それでも映像技術の発達によって、物理的な上下感を世界に取り入れるのが卓越してくると面白い映像作品に仕上げられるのが、この新しい”上下分かれモノ”という分野を作りだしていると思います。

本作はアニメながらも、世界観は「アップサイドダウン」に近い。ある悲劇的な重力反転実験の失敗で、地上世界とは別に反対向きの重力方向を持った地下世界。互いの世界はある思惑によって交流のない隔たれた世界だったが、地下世界の少女が地上世界に足を踏み入れたときから物語は徐々に動いていく・・・。

地上と地下という反転だけでなく、天空や失われた世界まで出てくるので、全体の世界観がどっちを向いているのか(重力方向を含め)よく分からない感じになってしまった感があります。映画の雰囲気はよいのですが、全体的に気になったのは、ある特定の結論に向かって前提を描くところなく、どんどん突き進んでしまう演出法にそもそも問題があるように思います。物語は起承転結が基本。この映画は物語の起こり(起)がなく、展開がひたすら続いて(承・転)、気が付いたら映画が終わっていたという感じです。結末も意外にスケールが小さい感はありますが、作風は悪くないだけに、もったいない作品にしたしまったように思います。

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