3月 12

ホビット 竜に奪われた王国

「ホビット 竜に奪われた王国」を観ました。

評価:★★★★★

IMAXの字幕版にて。

確認したいのですが、映画を観ている最中って、ここはこういう展開になるでしょうとか、謎解きやサプライズが仕掛けられている場合は、ここはこうなるのでしょ、というふうに物語の展開を予想するということは誰しもあると思います。それと同時に同じシークエンス内とか、フレーム内で、こういう風に描いたら、もっと見栄えがするだろうとか、ここの部分をもっと描き切れたら、いい作品になるだろうと思うことありません? なんか絵画的というか、映像の組み立て方として、こうしたらと思うことが(カメラのカット割りも含め)多々あるんです。でも、そんなことを忘れさせてくれる作品が、やっぱりコレ。もう王道過ぎるというか、そんなモヤモヤ思わせなく、没頭させる力を、「ロード・オブ・ザ・リング」の頃から持っていると思います。

ファンタジー、日本でいえば、おとぎ話って、僕はいつの時代も重要だと思っています(って、「ロード・オブ・ザ・リング」のときも書きましたが)。単純に、寓話から読み取れる教訓などの教えのようなものを伝えていくことも重要なのですが、文字からしか読み取れない情報の中で、その世界像を想像することも、ファンタジーがもつ大切な要素だと思っています。そうはいいつつも、最近は映画でも、ゲームの世界でも、コンピュータの能力が劇的に上がり、頭の中で想像すること以上のものが表現できるようになってきた。それでも目に見える要素だけではなく、その裏側の世界観までダイレクトにスクリーンから伝わってくる。ピーター・ジャクソン監督は、綿密な世界を構築するだけではなく、そうした世界観を伝える力をもっていると思います。

「ホビット」シリーズとしては、ガンダルフ、ビルボという物語の中心人物だけではなく、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズの続きキャラとして、前作ではフロドやゴラム、今作ではレゴラスが登場しているのが嬉しいところ。ガンダルフもそうですが、「ロード~」シリーズから数年経っているのに、登場キャラクター(キャスト)の成長感をうまく消しているのが素晴らしい。これにより、「ロード~」シリーズも含めて、指輪物語シリーズが、いつまでも色褪せない形でまとめることができると思っています。CGとしての見どころも、前作はゴブリン巣窟での俯瞰映像が凄かったですが、今回は闇の森からの脱出劇に、手に汗握るスペクタクル性を感じてしまいます。物語は普遍的ながらも、どんどん映像作品としての進化は感じてしまう。これは最終作も見逃せません。

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