4月 09

ウォルト・ディズニーの約束

「ウォルト・ディズニーの約束」を観ました。

評価:★★★

「アナと雪の女王」が絶好調のディズニー。そのディズニー・ピクチャーズの生みの親がウォルト・ディズニーなのは誰でも知っているかと思いますが、クリエイターとしてだけではなく、プロデューサー・事業家としても敏腕だった彼が一番苦労したといわれる、「メリー・ポピンズ」の映画化に関する裏話を映画作品にしたのが本作。僕は正直言って、物語としても面白さの部分は予告編で感じられる以上のものはなかったですが、ウォルト・ディズニー、そして「メリー・ポピンズ」の原作者であるP.L.トラヴァースの実録をもとにしたやり取りを、うまくドラマ化したというところに価値があるのかなと思います。映画化製作が50年前の1961年。1960年のディズニーの生前で、事業として一番大きくなろうとしていた頃を映画化しているというのも、ディズニーファンとしては嬉しいのではないかと思います。

僕が一番面白かったのが、ディズニーの映画化製作プロセスが脚本などの物語をベースにするのではなく、どういう絵にするかとか、どういう歌を入れていくかの視点をより重要視していたこと。それが作者トラヴァースの実体験をベースにしている、「メリー・ポピンズ」というところと合うところが少なかったので、衝突する部分が多かったのではないでしょうか。ディズニー本人も前のめりになって歌づくりに参加するところなど、ディズニーというブランドで出すからのモノづくりというところが丹念に描かれています。

鑑賞後に知ったのですが、ディズニーのオフィスを正確に再現していて、トム・ハンクスの立ち回りなどもディズニー本人になりきるかくらいに細かに研究していたらしいです。エンドクレジットも見逃せない歴史的資料を再生していたりなど、映画の中身どうのこうの(注>十分にこれもいいんですけど)よりも、この歴史的な出来事をしっかり作品にしてくれたというのだけでも、僕は観てよかったと思える作品でした。ディズニーファンは必見です。

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