10月 03

GF*BF

「GF*BF」を観ました。

評価:★★★★

三角関係を描いた映画というのは、今までラブロマンス作品でもあったと思うんですが、同性2人が異性1人を取り合うという構図だったと思います。本作も、いわゆる三角関係を描いた作品なのですが、そこに同性への愛というのが入ると、2対1ではなく、全てが1対1のループ状になっていくという不思議な感覚の作品になっています。ライアムとアーロンは学生の頃から何をするにも一緒にしてきた悪友。心優しいライアムは幼馴染のメイベルに対し、彼女の家庭が不和なこともあり、いつも支える存在。アーロンはそんなメイベルを好きになるが、メイベルの心にいるのはライアム。ライアム自身も、アーロンとの友情がいつしか心を寄せる想いへと変わっていく。3人は固い絆で結ばれた仲間でもあるのだが、擦れ違う想いというのは、時の移り変わりとともに、どんどん激しく複雑なものになっていくのです。

観ていて、ホントに切ない気持ちになる作品です。同じ台湾映画では、昨年の洋画ベスト10にも選んだ台湾映画「あの頃、君を追いかけた」も切なさに心震える作品でしたが、本作も好きなのに好きといえない気持ち。自分の気持ちより、行動としては仲間としていることの建前を優先してしまう、身が裂けるような想いという切なさに、何ともいえない気持ちになってきます。今一歩超えたところに普通の幸せがあるのに、相手のことを思ってしまうから、そこになかなかたどり着くことができない。映画のラストは一種のファンタジーのような幻想美が描かれますが、このシーンがあるからこそ、切ないだけで終わらない一歩深い作品になっていると思います。

ビックリしたのは、同性愛に関わる描写でも、(台湾ならではなのか)すごくストレートに描いていること。タイ映画ほどは性的な部分は開放的ではないですが、日本のことを意識はずいぶん先をいっているように思います。ライアムを演じるジョセフ・チャンのナイーブな演技も見事。恋愛映画としても太鼓判を押せる作品に仕上がっています。

本作「GF*BF」で、夏前に貯まっていた映画感想のストックは終了しました。近作で観たものも、結構貯まり気味なのでドンドンと更新していきたいと思います。

次回レビュー予定は、「フライト・ゲーム」です。

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