「テロ、ライブ」を観ました。
評価:★★
かつて国民的な人気を誇っていたTVアナウンサーが左遷され、担当しているラジオ番組に爆弾テロ犯から犯行予告の電話がかかってくる。橋を爆破するという予告電話の内容を最初はいたずらと思っていたが、目の前で橋が爆破されたことから、事態は思わぬ方向に転がっていく。。
秋映画は過去には「セルラー」や「96時間」など、意外に小品と思える小規模公開な作品にヒットが生まれることが多い。本作も一部ロケシーンやスタジオ外のシークエンスが挟まるものの、大部分はラジオ・スタジオを中心に行われる密室劇になっている。密室でありながら、テロが至るところで発生し、最後の最後は意外なものまで爆破されてしまうという、、単純なスリラーと捉えれば(警察のキャラクターは稚拙なほど凝り固まった描き方しかされていないなどの欠点もありながらも)、そこそこ面白い作品になっている。
ただ、先日観た「フライト・ゲーム」が9.11を想像させてしまうシーンがあったように、本作でも、韓国の大型フェリー沈没事故など、昨今の韓国社会に見える責任回避というか、自分さえよければいいような負の一面を感じさせてしまうシーンがあります。ネタバレなので詳しくは書けないですが、主人公のアナウンサーがテロという驚がくな事件を出世に利用しようとするだけならまだしも、周りのキャラクターも、全てが自分のためにしか物事を利用していなく、それが事件を更に混迷化してしまうところは、その典型に思えてきます。終盤に爆弾犯が出てきて、主人公と遭いまみれるシーンも、結末がああなってしまうのも臭いものには蓋をしておけばいいという結論に見えてしまう。これは全体的に、そういう社会自体を皮肉っている作品なのでしょうか。それならそれで凄い作品かもしれないですが、映画作品としては後味の悪さしか残らない感じがします。
次回レビュー予定は、「蜩ノ記」です。