8月 05

人生スイッチ

「人生スイッチ」を観ました。

評価:★☆

アルゼンチンで国内映画人気No.1に輝いた作品。僕は実は南米映画とは少し相性が悪くて、昨年(2014年)に観た「グロリアの青春」(チリ映画)にも全く共感できない作品でした。遡れば、「アモーレス・ぺロス」(アレハンドロ・イニャリトゥ:メキシコ)とか、「モーターサイクル・ダイアリーズ」(ウォルター・サレス:ブラジル)とか、「シティ・オブ・ゴッド」(フェルナンド・メイレレス:ブラジル)などの傑作もあるにはあるのですが、どうもコメディとか、ラブロマンスの類になると、子どもっぽい南米人の気質が、作品をあらぬ方向に押しやるような感じがしてなりません。よく言えば、子どもっぽいユーモラスさが、悪く言えば、どこまでも突き進むしかない幼稚っぽさしか見えない作品が多いのです。本作も、残念ながら後者になるかなといった感じがします。

本作は、全6編からなるブラック・コメディで彩られた短編オムニバス映画。予告編を観ると、この6編の各エピソードにつながりみたいなものがあるのかなと思いましたが、作品上はそんな工夫もなく、ただ6編の短中編が交わることも、まとめられることもなく、オムニバスな形で進んでいきます。ブラック・コメディという前提があるので、ユーモラスでは収まらない、ブラックなネタが満載されているという期待感は十分に満足させてくれますが、もうこちらが想定している以上のことも進んでしまい、そこまでやるかという救いのない物語が続いていくのです。僕が唯一、面白いなと思ったのが、最後のエピソードとなる「スイッチ6:HAPPY WEDDING」くらい。結婚式最中に、花婿の浮気の事実が発覚し、壮絶な花嫁の復讐が始まっていくのですが、WEDDINGというくらいなので、いろいろありながらも最後はもとの鞘に収まってくるような流れになってくる。不幸の際まで落とし込むようなエピソードが多い中、最後の最後だけはまともになったので、少しホッとしたお話になりました。

それにしても、本作は予告編の作り方が実に上手いと思わせる作品です。予告編を観たときの期待感が、作品の出来と大きく乖離しているタイプの作品です。「人生スイッチ」という邦題も絶妙(原題は、そのまま意訳すると「荒々しい物語?」ですもんね。原題は映画の内容をしっくり表現している気がする笑)。人が人を怒らせたり、イライラさせるスイッチというのは至るところにあるのが、よく分かります。もちろん、その恨みを本当に晴らしてしまうと悲惨な結果になるということも含め笑。とことん悲惨になっていく各エピソードのキャラクターたちを、ドリフのコント風に笑いたい人向けな作品のような気がします。

次回レビュー予定は、「サンドラの週末」です。

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