11月 15

奇跡の2000マイル

「奇跡の2000マイル」を観ました。

評価:★★★☆

ラクダ4頭と愛犬を連れ、オーストラリア西部に広がる砂漠2000マイル(約3000キロ)を横断した女性ロビン・デヴィッドソンの実話を描いた作品。監督は「ストーン」のジョン・カラン。主演のロビンを演じるのは、「アリス・イン・ワンダーランド」や「嗤う分身」などで印象的な演技を魅せているミア・ワシコウスカが務めています。

ちょうど同じ時期に「わたしに会うまで1600キロ」(感想文はまだ、、)という同じような女性が長距離を歩き切る作品を見せているだけにこんがらがりそうですが、こちらはより過酷なオーストラリアの砂漠地帯を横断した一人の女性の実話。よく登山でもそうですが、こうした大陸横断や砂漠縦断などの目的というのは、個人的には共感できないのが正直なところ。まだ、日本で言うと、四国のお遍路さんのような聖地巡礼の旅や、日本横断・自転車旅行などは、純粋に人に出会ったり、修行の目的で神と自分と見つめ合ったりという目的がありそうではあるのですが、こうした自分を痛めつけながら、壮大な目標に挑戦していくというのは何とも無謀であるなーと個人的には思ってしまうのです。

でも、この映画の主人公ロビンは、本当に何かの強い意志に動かされて、孤独な未知なる旅へと出発していきます。そうした姿には孤高のヒロインというのにふさわしいカッコよさ、凛々しさみたいなものがスクリーンからジンジンと伝わってくるのです。その他は映像が一環として砂漠の土色に染められている。画面を通して、すごく乾いた砂風や埃っぽさがこちらに迫ってきて、映画終了時にはロビンと同じような道のりを走破したような、何とも心地よい疲労感を感じることができます。これは何とも不思議な体験ができる映画となっています。

観ていて驚くのは、オーストラリアの乾いた大地の中でも逞しく、慎ましく生きる人達がいるということ。もちろん、映画なのでドラマの中ではフィクションなのですが、原住民アボリジニだけではなく、田舎というには日本とは比することもできない過酷な土地で暮らす人々が(モデルとして)いることに驚きを感じました。

映画のテーマみたいなところには、あまり共感はできるところはないのですが、主人公の目線で旅をできることができる作品となっています。

次回レビュー予定は、「俺物語!!」です。

preload preload preload