12月 26

Re:LIFE

「Re:LIFE リライフ」を観ました。

評価:★★★★

ラブロマンス、ラブコメディの王様的にいるヒュー・グラントが、「トゥー・ウィークス・ノーティス」「ラブソングができるまで」「噂のモーガン夫妻」に続き、マーク・ローレンス監督と組んだ作品。今回、ヒューが演じるのはハリウッドの脚本家キース。過去にアカデミー賞受賞の栄誉を得たものの、近年はヒット作品を出せずに悶々とした毎日を送る、くさった男(笑)。いよいよ電気も止められ、生活をするにも苦しい生活状況に追い込まれたキースは、自身のエージェントの紹介でニューヨークの片田舎ビンガムトンにある大学で教鞭をとることになる。お金のためと、やりたくもない大学教員の役回りに当然身も入らないのだが、シングルマザーの学生ホリーの導きもあり、徐々に教えていくことに興味を覚えていく。。

とにかくヒュー・グラントの魅力が全開の映画。もはや「9ヶ月」や「ノッティング・ヒルの恋人」の頃のような、ウブなキュートさはなくなったヒューではありますが、持ち前の飄々とした語り口は健在。僕は本作とかを見ていて、スタイルは少し違えど、往年の名優ウディ・アレンをどこか彷彿とさせるところが出てきたようにも思えます。シニカルな自虐ギャグ、軽妙な語り口でシーンをつなぎながらも、いざ真摯に教鞭を振るうシーンでは、真面目に脚本に望んでいた頃のキースというキャラクター像をうまく醸し出す。ホリーを演じるマリサ・トメイや、「セッション」でアカデミー賞俳優となったJ・K・シモンズなど、脇を固める俳優陣も演技派なところを見事に揃えているので、ヒューの軽快な演技に的確な形で応えることができる。カナディアンジャズのような軽妙なサウンドがどこかから聞こえるような、演技のセッションが目の前で繰り広げられる楽しい作品になっています。

ただ、よくも悪くも、ビックリするような展開もなく、自然と終幕を迎えるのがヒュー・グラント主演作。本作もハッピーエンドではありますが、そこまで盛り上がることなく、静かに終わっていくので、多少食い足りないような気がする方もいるように思います。でも、エンド・クレジットまでサービス全開で盛り上げてくれるのも楽しいところ。ちょうど公開時期がクリスマスシーズンにも当たるので、本作を観てから、本番のディナータイムに行くようなデートの組み立てがちょうどいいようにも思います。クリスマスには関係ない作品ですが、この時期に良い小さな贈りものをもらえたような素敵な作品になっています。

次回レビュー予定は、「マルガリータで乾杯を!」です。

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