2013年3月11日は、東日本大震災から2年が経過する。様々な番組、行事なども行われているが、人の死に関わる本を2本読了したので、立て続けに紹介したい。
1冊目は「エンジェルフライト 国際霊柩送還士」
この本を読み始めたのは、ちょうど2013年1月21日、アルジェリア人質拘束事件が起きたときだ。多くの日本人現地スタッフが犠牲となったが、そこで犠牲となられた方が本国に日本国政府専用機で移送されたことを記憶されている方もいるだろう。本著はそうした国際遺体搬送を請け負う、霊柩送還士たちの姿に迫ったノンフィクション作である。
日本国内でも出張や旅行中の事故などで、住んでいる場所から遠くで人が亡くなった場合の遺体搬送は正直大変だ。それが海外ともなると、距離という問題もそうだが、国の文化や風習による遺体の考え方、それに伴う処理の技術にも大きな差がある。それに(嫌らしい話ではあるが)ビジネスという側面であっても、葬儀社ごとのポリシーの差によって、取り扱われ方が大きく異なる。家族や故郷に遺体を還す。言葉で書くと単純だが、その裏側には大変な苦労があることがよく分かるのだ。
僕はこの本を読んで、日本人の亡くなった人に対する想いというのがとても素晴らしいものだと、改めて気づかされた。僕自身は人には魂というものはあると信じていて、魂が身体に宿って、はじめて人というものが成り立つと考えている。魂の抜けた遺体というものは、単純に見れば、”モノ”でしかない。それでも、日本ではほとんどが最終的に火葬にしてしまう遺体に対して、適切な防腐処置をし、死に化粧をし、葬式を上げて送り出す。「ツナグ」の書評でも書いたが、そこには残された人が、それぞれの想いの中で故人と真正面に向き合い、別れを惜しみ、悲しみ、整理する瞬間が必要ということを暗に文化として示している。これは改めて素晴らしいことではないかと思うのだ。人が亡くなった時点で、その人はいなくなるのかもしれないが、その魂は残された人たちの中で永遠に生き続けるものなのだ。
この本に登場する人たちは寝る間も惜しんで、海外で亡くなった日本人、そして日本で亡くなった外国人たちを遺族のもとに還す仕事をしている。それもどんなに傷ついた遺体であっても、できるだけ元の元気な姿に戻す努力もなされている。それはある意味、故人の魂を、遺族のもとに”還す”仕事ともいえるのだ。





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