4月 30

間奏曲はパリで

「間奏曲はパリで」を観ました。

評価:★★★☆

この題名を見たときは、ジム・ブロードベント主演の「ウィークエンドはパリで」と何か関係があるのかと思いましたが、これはこれで別の作品。「ウィークエンドはパリで」、「ミッドナイト・イン・パリ」、「パリよ、永遠に」と近作で観た中でも、パリという都市は映画に映えるところだと分かります。日本だと、どこだろう。京都、神戸、横浜あたりでしょうかね。同じように映えそうなのは。「ウィークエンドは東京で」なんて、なんか残業させられそうな邦題ですもんね。それだけ、世界中から愛される街という所以だと思います。

そんな本作は、「ウィークエンドはパリで」とは違い、フランスの片田舎ノルマンディーで畜産農家として、仲睦まじく暮らしていた夫婦が主人公。一人息子が家を出て、仕事しか生きがいを見いだせなくなっていた妻ブリジットが、ふとしたきっかけで訪れた恋のアバンチュールを求めにパリに行くというお話。一筋縄ではいかなかった「ウィークエンドはパリで」のリベラル夫婦ニックとメグと違い、本作のブリジットとグザヴィエの関係というのは、昔ながらの亭主関白的な関係。ブリジットも決して不満ではなかったが、最愛の息子が出て行ったのを機に、どこか毎日の生活で刺激がなくなったのも事実。こうした夫婦の倦怠期を如何に乗り越えていくか、、それにパリの街が優しく応えてくれる。そんな素敵な作品になっています。

物語としては、「ウィークエンドはパリで」と違い、恋のアバンチュールはあるものの、予想を大きく逸脱することなく平穏に過ぎていきます。この平穏さは少々物足りなさも感じなくもないですが、僕は作品のリズムとして、このゆったり加減がとっても心地よかったです。それに映画として、すごく映画らしい映像をうまくつかっているのも高評価。パリの街並みはもちろんですが、特筆すべきはブリジットの様子を確認したグザヴィエが、息子のサーカス小屋に寄り、彼の演技を見続けるシーンですね。グザヴィエ役のジャン=ピエール・ダルッサンの見つめる視線と、息子の華麗なパントマイムが交互に映し出されるところは、グザヴィエ自身が息子と共に生きたブリジットの影を追っているような名シーンだと思います。「おみおくりの作法」のラストシーンが今年随一の名シーンだと思いましたが、本作のこのサーカス小屋のシーンと、僕の中ではすごく肉薄している感じです。

次回レビュー予定は、「マジック・イン・ムーンライト」です。

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