11月 30

ヒロイン失格

「ヒロイン失格」を観ました。

評価:★☆

幸田もも子による同名少女コミックを、「ハンサム・スーツ」の英勉監督が映画化した作品。1人の女子高生・松崎はとりが幼なじみの寺坂利太にずっと想いを寄せ続けているが、ある日、その幼なじみに彼女ができてしまったことから運命は音を立てて崩れ落ちる。何とか、その恋敵から利太を奪い返すために獅子奮闘を繰り広げるが、同時にはとりにアプローチをかけてきたのは、イケメン高校生の弘光廣祐だった。。

僕自身、ラブコメディやラブロマンスは好きなジャンルの映画なのは確かなのですが、こと十代の高校生が見るようなこうした少女コミック系の原作もの(特に、制服もの)というのは触手が及ばない分野。本作も、少女コミックとしては異色なコメディタッチの作品ではありますが、多分に見るキッカケがなかったら(今回はそういうキッカケがあったのですが、、)、普通に観たい作品群の中からは除外していただろうタイプの作品だったと思います。

といいつつも、作品全体は大きな崩壊もなく楽しく見れると思います。ただ、主人公のはとりを演じる桐谷美玲にしろ、彼女の同級生を演じる福田彩乃にしろ、高校生とはどう頑張っても見えない俳優陣をあえて使っているのは、リアリティというよりも、物語上のキャラクターを面白く表現してくれるという質で配役してあるのは、なかなセンスの良さを感じます。こうした主演級だけではなく、周りの高校生(例えば、食堂で絡む不良高校生にしろ)も、一部はどう見てもオッサンとしか見えない人に演じさせているのも、同じ狙いだと思います。

それに幼なじみを演じる山崎賢太、「俺物語!!」でも好演していた弘光役の坂口健太郎も、それぞれがいい味を出しています。役者として伸び盛りの彼らがキュンキュンと光っているのは魅力的。ただ、これだけ低評価になってしまうのは、お話がすごく薄っぺらいということに尽きてしまうのですが。。

次回レビュー予定は、「ヴィジット」です。

11月 29

機動戦士ガンダム THE ORIGIN Ⅱ

「機動戦士ガンダム THE ORIGIN Ⅱ 哀しみのアルテイシア」を観ました。

評価:★☆

アニメシリーズ「機動戦士ガンダム」のキャラクターデザインを務めた安彦良和の同名コミックを映像化した作品、4部作シリーズの第2弾。劇場公開に併せて、関連グッズなり、作品を収めたBlue-rayも既に発売されており、劇場公開というのがあくまで限定的なもの(期間も2週間)ということが分かります。僕は安彦先生の原作コミックも好きで、前作も劇場まで足を伸ばしたほど(さすがにグッズを買い込むほどのファンではないですけど、、)。2週間の限定公開ということもあり、前作もそうでしたが、今回の作品も観たシネコンの一番大きなスクリーンでもほぼ満席という盛況ぶりでした。

さて、このシリーズは原作コミックの中でも、特に”赤い流星”シャアの誕生秘話というところに焦点が当たった構成になっています。前作では、回顧録という形でスタートする前段として、シャア専用ザクの赤い姿がスクリーンいっぱいに表現されるだけで鳥肌モノでしたが、今回の作品はそういう見せ場的なものは存在せずに、簡単に前作を振り返ってからの、今回の物語に入っていくというオープニングになっています。今回は副題にアルテイシアと付いているように、後のシャアとなるキャスバルの妹・アルテイシアを軸に据えるような形で物語が進んでいきます。僕がまず気になったのは、前作のシリーズ俯瞰したような構成からキャスバルにフォーカスし、今回はアルテイシア目線で進めるという、この構成。確かにキャラクターをメインに据えるというやり方もなくはないですが、その他のキャラクターの味が少し薄まっているように感じてなりませんでした。例えば、今回2人の兄妹を匿うことになったテアボロや、ザビ家にジオンを乗っ取られ、粛々と生きることを余儀なくされたラル家の衰退など、盛り上げるべきサブエピソードがどう見ても小さくなってしまったように思えてなりません(描かれないわけではないのですが、、)。

それにアルテイシアのあまりにキャスバルを想う気持ちが強すぎるのもどうかと、何度も”キャルバル兄さん”と叫ぶセリフが耳から離れず、こうした偏った兄妹愛の在り方(無論、父親は暗殺、母親も失意のうちになくなるという不幸はあるものの)というのもどうかと思います。それに次作で描かれるのかもしれないですが、後にザクとなっていくジオンのモビルスーツ実験も、今回もうちょっと枠をとって描いて欲しかった。これはアムロの父親やミノフスキー博士のことも含め、次作でしっかり描かれることを期待したいところです。

今回厳し目な評価をしたのも、これも物語としての期待あってのこと。今回の予告で、THE ORIGINのガンダム本編もシリーズ化しそうな雰囲気も醸し出してきたので、次作以降も期待で+☆をしたところです。

次回レビュー予定は、「ヒロイン失格」です。

11月 29

すいません。残っていた記事を書いてしまいます。

ちなみに、(その1)(その2)からの続き記事になります。

続いてピッチャー陣に行きましょうか。先発の西に続いて、この日に登場したのは、、

2015/10/3

なんと金子千尋。。今シーズンは手術上がりで出遅れ、初登板したのは交流戦前。これだけ遅れたのは、確か交流戦の阪神戦が一軍復帰となった2011年シーズン以来。復帰戦のロッテ戦(負け)、その後の広島戦(負け)、中日戦(勝ち)、阪神戦(勝ち)、西武戦(負け)と連続5試合がちょうど彼の登板日に合っているという、金子選手の追っかけみたいな観戦となっていましたが、徐々に調子を上げていくのはさすがエースという貫禄は見せてもらったものの、やはり物足りないという一年だったかと思います。さすが打てないという金子の勇姿を来シーズンはみたいものです。

この日は今シーズン最後の投げ納めということと、谷選手の引退試合ということの志願登板だったとか。

2015/10/3

次の8回登板は岸田。今シーズン崩壊のリリーフ・抑え陣の中で、彼だけが持ち味を出して、大事な試合をうまくまとめてくれた印象があります。抑えをやっていた頃は苦しいと思っていたのですが、ロングリリーフも含めて、この大事な場面で投げた今シーズンは非常に安定感が出たかなと思います。勤続疲労が激しい平野佳とともに、先発転向という話もありますが、僕は今のポジションが合っているのではないかと(岸田に関しては)思います。

2015/10/3

今シーズンの最後の登板は抑えの佐藤。最優秀リリーフを2年連続受賞し、平野佳の不調もあって、抑えに回った今シーズンですが、彼の脆さみたいなところが出た一年だったかなと思います。抑えは文字通り、抑えてナンボの世界。ソフトバンクのサファテのような豪腕完璧は求めないまでも、被安打を最小限に抑えるという、この役回りを台頭してきた塚原とともに死守して欲しいなと思います。

2015/10/3

この日はシーズン最終戦だったので、最後には選手・監督一同の挨拶があったのですが、その時のスナップから。

バファローズ投手陣の中にあって、今シーズンの光明は3年目の東明がシーズン二桁を達成したことでしょう。一時は連続勝利の月もありましたが、相手にリズム感を掴ませることなく、どんどん投げ込む彼のスタイルがちゃんと定着した一年だったかなと思います。ルーキーイヤーとかは、不遇な登板(いや、難しい登板)も多かったので不幸なイメージが拭えませんが(笑)、好調な次の年である来シーズンが本当の勝負だと思うので頑張ってほしいなと思います。

2015/10/3

今年の移籍組ではバリントン。来シーズンは現段階で自由契約になったことが判明してしまいましたが、、今シーズン最後の登板が非常にいいピッチングだったので残念なところです。何勝もするイメージではないですが、広島時代から安定感がしっかりあるピッチャーだと思うので、来シーズンもどこかで活躍の場を期待したいところです。

ついでに、相手チームのホークスでも印象に残る選手を。

2015/10/3

プレイオフに向けて調子を上げていき、日本シリーズではMVPを獲得した李デホ。同時に大リーグ挑戦も表明したため、もしかしたら生で見るのは、この日が最後だったかもしれません。オリックスにも2012年から2年間所属していたこともあり、京セラドームでの彼の姿というのはホークスに移っても自然に見えていましたが、彼のスタイルが大リーグでどこまで通用するのかも見てみたいところ。李デホの良さというのは、選球眼の良さと大きな身体に似合わず、柔らかく大きな振りができるところで、これも日本や韓国などのアジア向きなスタイルなんですよね。。

2015/10/3

あとはトリプルスリーバッターである柳田。シーズン終盤は怪我をしてしまい欠場が続いていましたが、この日は代打で一打席のみの登場。師と仰ぐ糸井よりも先にトリプルスリーを達成してしまったことに、個人的にはなんとなく感慨を感じますが、それでも凄い記録なのは確か。彼こそ大リーグでも見てみたい選手でもあります。

さて、最後はチームとして今シーズンを振り返って一言。今シーズンは多くの野球評論家に1位もしくは2位予想をされていましたが、過去の経験上、こうした上位に予想されると下位に低迷するというジンクスがあるので、非常に心配していましたが、その予想が的中したシーズンになったかなと思います。個人的にはやはり移籍組にフォーカスが当たってしまい、若手中心でチームとしてまとまりがあった2014年のいい味が失われた印象が強いです。これは僕自身も開幕前にある程度予想できていたこと。けが人が多かったことも事実ですが、決してそれだけを理由にして欲しくないと思います。来シーズンはT-岡田、安達などの生え抜きがチームを引っ張り、移籍組が華を添えるような、いいまとまりを期待したいところです。

ということで、今シーズンの野球観戦記は、ここで終了。来シーズンは別ブログとして、新しくスタートする予定です。また、どこかでお会いしましょう。

最後に、おまけ。。。

2015/10/3

2015/10/3

この日はシーズン最終戦ということともに、谷選手の引退試合でした。代打登場でいきなりヒットを放つなど、持っているものが違うということ、スタジアムが一体化することに感動もしました、、、が、やはり2007年頃からバファローズファンということから野球を見た始めた自分にとっては、谷はやはり巨人の人というイメージが強いかなと思います。彼について、語るに足りぬので、ここでは写真紹介に留めます。

2015/10/3

2015/10/3

2015/10/3

2015/10/3

11月 28

アントマン

「アントマン」を観ました。

評価:★★★★

2Dの字幕版にて。

「アベンジャーズ」を生み出したマーヴェル・スタジオ製作の新アメコミ・ヒーロー。ちなみに、本作にもアベンジャーズ登場キャラクターがチラッと顔を出すように、本作のアントマンも後のシリーズで、アベンジャーズヒーローに合流する予定。このミクロになるというヒーローの設定に関与するところも、アベンジャーズシリーズお馴染みの敵組織・ヒドラが絡んでくるので、アベンジャーズファンはとりあえず必見でしょう。というより、どこまで”アベンジャーズ”伝説が拡がっていくのか、末恐ろしいものでもありますが(笑)。。

それにしても、本作はアントマンというニューヒーローが誕生する物語なので、”アベンジャーズ”シリーズを知らない人でも十分に楽しめると思います(途中、アベンジャーズキャラが入ってくるシークエンスだけは、誰だこれは、、となるかもしれないけど)。うだつの上がらず、何をやっても裏目に出てしまうダメ男・スコットが、最後にして唯一の仕事のオファーが突然舞い込むことに。それは謎の老人から、ミクロのヒーロー”アントマン”になるというもの。実は、この”アントマン”、私たちの知らないところで世界平和を守り続けてきたというから超驚き(笑)。ダメ男・スコットが愛する娘のために、ダメダメながらもヒーローに成長していく姿が、面白くかつ爽快に見ることができると思います。

本作が珍しいのは、従来の”アベンジャーズ”シリーズにはないコミカルさがあるところでしょう。このシリーズでは「ガーディアン・オブ・ギャラクシー」も楽しい作品でしたが、主人公のキャラ立ちから、”アントマン”という名前から想像できるお助けキャラの存在まで含め、小さい子どもでも受け入れられそうな楽しい素材が映画に溢れています。本作の”アベンジャーズ”シリーズが、最新作「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン」でどうしてもアメコミ・ヒーローにありがちな暗い影を落としているので(というか、明るいキャラのアイアンマンが暴走し気味ですので)、このアントマンが明るい風を吹き込んでくれることを期待します。アベンジャーズに合流もいいですが、「アントマン」単発でも次作を出して欲しいなと思います。

次回レビュー予定は、「機動戦士ガンダム THE ORIGIN Ⅱ 哀しみのアルティシア」です。

11月 27

1001グラム

「1001グラム ハカりしれない愛のこと」を観ました。

評価:★★☆

世の中には何にしろ”標準”というものがある。例えば、時刻に関しては、世界には時差があっても、どこでも1秒、1分、1時間の価値は変わらない。それは私たち人類が、時という概念を発見して以来、曲げることができない価値(”標準”)として規定しているから変わることはないのだ。これは結構当たり前のようだけど、この”標準”をしっかり規定して守っている人たちがいる。本作に登場するのは、そんな人々にまつわる物語なのだ。

本作で登場する主人公マリエは、ノルウェーの測量研究所に所属する1人の研究員。ここの研究所では、世の中に溢れる様々なものの標準量を計測、規定しているのだ。そのマリエはあるとき、仕事で”1キロ”に関するフランスでの学会に出席するために、ノルウェーの1キロ標準器を持って出張に出る。そんな最中、父の病気なども発覚し、いつもは平穏で、ただただ仕事だけを正確にこなすマリエの周りもドタバタとしてくる。そのせいか、とある事故をきっかけに大事な1キロ標準器を壊してしまう。標準器を修復するためにフランスに再び旅立つマリエには、一つの固い決心があったのだが、、

予告編を見てもわかるように、マリエを演じるアーネ・ダール・トルプの好演もあり、作品序盤から至るところにキチキチ真面目ぶりを表現する固い演出が面白さを誘います。でも、これは北欧映画だから成立すること。同じことをフランス映画やイタリア映画のような、そもそも国民性がいい加減な(失礼ですが、、)国でやったら、そもそもこの物語が成立しなかったように思います。このカチカチした性格の雰囲気な作品、、どこかで見たような作風だなーと思ったのですが、どこか熱いものを内に秘めるキャラクター像の作り方など、「過去のない男」などのカウリスマキ監督作品(この人もフィンランドでしたっけ?)に通じるものを感じました。ただ、中盤までは面白いものの、ラストが意外に安直に予想できるところに終わってしまうのが残念なところ。これもノルウェーではなく、フランスで終わってしまうからでしょうかね(笑)

次回レビュー予定は、「アントマン」です。

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