12月 31

さて、今年も年の瀬となってきましたので、毎年恒例の2014年劇場映画ベスト10をしたいと思います。2014年は、152本の作品と劇場で会うことができました。今年は東京から三重に引っ越しをし、同時に転職もしたので、結構バタバタしていましたが、その中でも毎年の目標の150本以上を実現できてよかったです。毎年書いていますが、150本というのが自分としてもちゃんと映画を観ているラインかなと思っていますので、来年の2015年も頑張りたいと思います。

毎年のことですが、各映画感想文の中で評点が4〜5点以上付いているものの中から選びたいと思います。作品によっては評点順とランキングが合っていない場合もあるかもしれないですが、それはそのときの評価ということで、ご了承を。2013年は邦画から行きましたので、今年は洋画のベスト10から始めましょう。

【洋画部門】
1位 インターステラー

この作品、つい最近IMAX字幕版も体験しました。正直、2回目の鑑賞では1回目のような驚きはなかったものの、純粋なSF作品でありながら、いろんな想いも詰まった傑作であることは変わりありません。クリストファー・ノーラン監督は、今後も目が離せない巨匠になりましたね。お正月休みも劇場公開は続いているので、見逃した方は是非スクリーンで。

2位 グランド・ブタペスト・ホテル

ベルリン国際映画祭でも銀熊賞に輝いた本作。ウェス・アンダーソンのキャラクター遊びのような映像美が、本作ほどしっかりとお話と噛み合った作品は今までなかった。大人も、子どもも、素直に楽しめる傑作です。1位のインターステラーとは僅差。こちらもオススメです。

3位 ダラス・バイヤーズクラブ

くしくも、1位のインターステラーと同じくマシュー・マコノヒー主演作品。HIVに冒されながらも、お金のため、そして、その先にある人たちのために孤高に立ち上がる男は、まさに現代のカウボーイそのもの。男なら、この後姿に泣けます。これもいい作品だったなー。

4位 6才のボクが大人になるまで

2位のグランド・ブタペスト・ホテルと同じく、第64回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(こちらは監督賞、グランド〜は審査員特別賞)に輝いた作品。リチャード・リンクレイター監督の持ち味である会話劇を、12年という長尺の撮影期間で取りまとめたまさに傑作。この作品も見逃せませんよ!

5位 ゴーン・ガール

サスペンスの超傑作。場面場面で違う表情を見せるキャラクターと、伏線に伏線を重ねた物語は絶品もの。前半は謎を追うサスペンスなのに、後半は登場人物がどう行動を見せるかを読み合うスリラーに変貌する。この前後半の違う色合いを純粋に楽しんでもらいたい作品です。役者も最高!

6位 マダム・イン・ニューヨーク

上位5作品に比べ、物語の捻り(ひねり)はないものの、純粋にヒューマンタッチな作品を、インド映画が成し遂げた快挙が凄い。長く、ケバく、意味不明なミュージカルシーンが多用という従来のイメージは、本作が見事に払拭してくれました。同時期に公開された「バルフィ!人生に唄えば」「めぐり逢わせのお弁当」なども同じく、来年以降もインド映画の躍進は続くかもしれません。

7位 猿の惑星:新世紀(ライジング)

CGが凄い、VFXが凄い、、という枠だけに収まらず、映画作品としても高いクオリティを見せた作品。猿も進化すると、人間のような一面を見せ、それが例えば、シェイクスピア劇やギリシア神話のように、教訓的な物語へと変貌していくのです。舞台劇のような場面もあり、かつエンターテイメント満載のバトルシーンもありと、見応えは十二分。前作よりも、2作目のほうがいいクオリティになった部類の作品です。

8位 ジャージー・ボーイズ

今年の音楽映画といえば、これでしょう。目を閉じても、フォーシーズンズの豊かなサウンドが耳に蘇ってきます。原作がミュージカルであるということを、最後の最後でうまく使っているのも演出として上手い。劇場公開は終わっていますが、できればいい音響設備での鑑賞をオススメしたい1作です。

9位 世界の果ての通学路

世界の教育事情はいろいろ違う。その中でも、皆に共通しているのは純粋に学びたいという想い。通学路でのいろいろな出会い、兄弟や友達、家族への想い、、子どもたちは通学路からもいろいろ学ぶのだ。

10位 マンデラ 自由への長い道

数多く作られたマンデラ関連作でもピカイチの出来。作品的には物語の変化がゆっくりしている作品でもあるのですが、それだけマンデラ自身が抱えていた苦悩がスクリーンからにじみ出てくる作品でした。描き方も真摯で見応え充分です。

次は邦画のトップ10へ。

【邦画部門】
1位 ぼくたちの家族

単純な難病ものでもなく、家族それぞれのカッコ悪いところまで含めて描いているのが、従来のホームドラマとは一線を隠しています。かっこ悪くても、何とかしようという思いが、離れていても家族という集まりに帰ってくるのが、また家族の不思議なところ。新しい家族像を見せた傑作です。

2位 小さいおうち

山田洋次監督が仕掛ける反戦映画。正直、山田監督が、これだけ少人数の会話劇をうまくまとめあげれるとは思っていなかったです。舞台は小さなおうちでも、その中で繰り広げられる物語の奥深さに驚きます。

3位 福福荘の福ちゃん

女性がオッサン役で主演という奇抜作。奇抜な作品でありながら、描いている世界は結構まとも。やっていることはおかしくても、見た目はカッコ悪くても、まっすぐに生きる姿ほどカッコイイものはないのだ。福ちゃんに誰もが癒やされたいと思うはず、、ですw

4位 円卓 こっこ、ひと夏のイマジン

大阪が舞台ということも癒やされるのですが、主人公こっこの暴走に、友達がしっかり支えてくれることに素直に感動。相手を思いやる、その思いやる中で、相手の想いを”イマジン”すること。それが人生の幸せを運んでくれるのかもしれません。

5位 銀の匙 SliverSpoon

原作が有名コミックということを知らないで観て、とっても感動した作品。農業という、ちょっと自分の世界とはかけ離れた世界の高校生活を描いているのも興味津津だったけど、その中で純に描かれる青春劇にも胸がキュンとなる作品です。

6位 寄生獣

物語のダークさが、アメコミ映画のダークヒーローもののような切れ味を見せた作品になっていました。それをやわらげるミギーのコメディアンぶりも見事。最終章となる次作も、この上手いバランスを保ったまま迎えて欲しいな。

7位 ゲームセンターCX 1986 THE MOVIE

ファミコンを愛した30〜40代は必見の作品。TVシリーズの楽しさはそのままに、その味を損なわないような映画化作品になっています。やっぱ8bitサウンドには癒やされるよなー、と思うのは、僕だけですか?

8位 WOOD JOB! 神去なあなあ日常

個人的に、三重県を舞台にした作品なので印象深い作品でした。林業という普段はスポットが当たりにくい職業を取り上げた職業ムービーながらも、地方というコミュニティの中での生き方を省みる作品にもなっています。純粋に笑えて、楽しい作品です。

9位 柘榴坂の仇討ち

今年は時代劇というのが、なかなか上位に来なかったですが、この作品は印象的でした。映画を見ながら、日本人の心の中には侍魂が形を変えて生きているのではないかと思います。それぞれが与えられた場で懸命に生きるということ。それしかできないし、それをすることもなかなか難しい。現代にも通じる時代劇の秀作です。

10位 神様のカルテ2

今年は自分的には転職もして、仕事について悩んだ一年でもありました。人気作品という続編ながらも、医療という枠の中で、仕事について、人生について悩んで生きる、それぞれのキャラクターに素直に感動できました。前作も含め、しっとりと感動できる作品なので、是非見てみてください。

さて、このブログを書いている間に紅白も始まりました。今年2014年は、昨年の2013年と同様に、洋画の力強さというのは続いている印象ですが、日本映画の中でも、ベスト10の中に選んだ作品のように、今までの既定路線とは一線を隠すような、新たな映画像を提案しているような作品も多く登場してきた印象があります。2015年も引き続き、いい作品と出会っていければと思います。

それでは2015年もスクリーンで。皆様、よいお年をお迎えください。

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